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IBASHO

演劇活動③向井潤吉氏『雨』の詩

2022年10月8日(土)。

みなさんのお話を聞いていると、疎開先の話ははずせない(><)!!!

でも、どうやって劇にしよう、と思っていたところで向井潤吉氏の『雨』の絵が疎開先で描かれたものであることが分かりました。詩の創作をしているかっちの手ほどきをうけて、子どもたちと一緒に『雨』の絵の詩づくりをしました。

なにも説明していないのに、この絵から戦争を想像する子どもたちもいました。

ほとばしる言葉が胸につきささる時間となりました。

【出展:世田谷美術館コレクション全集 『向井潤吉~風景へのまなざし~』】


★「こうしたいな」 

ここは、どこなんだろう、とおもってしまう。世田谷とは、ちがう空気。

しぬのかなとおもってしまう

たのしくあそびたい

いしをける

なきたいが、なけない


★「    」 

くもがくろいので どうしよう

雨がふってきた

さむくて

家や宿から出られない


★「   」

かなしい、くらい、明るい過去に戻りたい。

タイムスリップできたらなぁ。こわい。

なんでこんなことになっちゃったんだろう。親に会いたい。早く、安心したい。親はどこだろう。

歩いてる人たちは、どういう目的で、ここにいるのかな。早く逃げなきゃ。いっそ、死んで楽になりたい。

こんなのいやだ。家の明かりは消えている。もう1度、楽しくくらしたい。

雨の音がはげしい。

さむい。いつまでまったら、また太陽の光がさしこむのか。


★「なんで」 

恐怖しかない シーンとしている ポタッ 帰りたい いつもの日じょうにもどりたい

分からない人だらけ あの中に人がいるかも 

今なんでこんなことになっているの・・・


★「雨がふりつづける理由」 

この雨はいつ止むんだろう

早くみんなに会いたいな

この雨はいつやむんだろう

なんでこんなことになっているのだろう?

この雨はいつ止むのだろう

この雨がやまないのは

なんにも変えられないままの僕だから?


★「   」 

東京にもどりたい

きれいなうちにいたかった

くつがぬれた

あめがいや

古いおうちてよかった

ほすのめんどくさい

ともだちはどこ

ここはどこだろう


★「   」 

寒い

かさささなきゃ

かみなりおちてきた

水かかってきた

たおれてきそう

キーキいっている

中は水びたし

くつがぬれた


★どうなるのかな 

いつやむんだろう。

みんなはどこ、さみしい。

おうちがこわれてる。

うすぐらい。

こわい。

バシャドシャドシャ。どこにいくんだろう。

みんなに会いたい。

家の中はどうなっているんだろう。

せんそうはいつおわるのかな。

元の世界にもどりたい。

森があるな。食べ物はどこかにあるのかな。さむいな。

なんでここにいるの。

なぜ歩いているのかな。

ポトポト。

なんでずっと雨がふっているのかなぁ。


※ナレーション「1942年10月22日に開校した弦巻小学校には桜小、駒沢翔、深沢小、3つの学校から4年生から1年生まで集まりました。

その9か月後、1943年7月新潟の川口村に5年生、4年生、3年生が夜行列車で疎開しました。

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