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一歩先ゆく中3生によるICT教育のお話〜現役中学生からみた世田谷区のICTとプレゼンテーション報告会〜

更新日:2021年9月11日

2学期が始まりました!分散登校からスタートし、来週からは「選択登校」が始まります。学校に行くか、自宅で学ぶかを自分で選びます。私も息子に「どうしたい?」と聞いてみて、ハッとしました。

「〜しなければならない」という決まりが多い学校生活の中で、学ぶ場所を自分で決めるという選択肢が持てるということは、すごく大きな意味があると感じました。このスタイルについては、賛否両論あると思います。IBASHOでもみなさんの声を聞いて、一緒に考えていきたいなと思っています!


さて、夏休みの終わりの8月23日、広島県立叡智学園中学校3年生、伊藤穣さんが、「地元世田谷のICT教育改革へのエール-広島県・学びの変革推進校の中学生より」と題してICT教育に関するプレゼンテーションを教育委員会に対して行い、IBASHOがその報告会を開催しました。


なぜ広島の中学生が、世田谷の教育委員会に提案を?!

実は、伊藤さんは我らが弦巻小学校の卒業生なのです!


伊藤さんの弟さんは現在弦巻小学校の6年生。弟さんがiPadを使い始めた姿を見て、「入学当初からICTを日常的に活用して学ぶひとりの学生として、お世話になっている地元世田谷に少しでも学びの成果をお伝えして貢献したい」という思いから、自主的に企画して準備を進め、教育委員会に持ちかけてくれたんです!


さてここで、「広島県立叡智学園中学校」ってどんな学校?と思われた方もいるでしょう。

広島県立叡智学園中学校とは、広島県が「学びの変革」モデル校として2019年4月に開校した全寮制の学校で、バカロレア教育に加えてICT教育も推進されています。(しかも公立!)


世田谷の子どもたちにiPadが配布されて1年以上経ちますが、IBASHOにも保護者からのさまざまな声が届いています。


「配ったはいいけれど、どんな風に活用していくのか全然説明がない。」

「家ではYouTubeばっかり見ています。ずっと親が監視することもできないし、知

らないうちにどんな動画を見ているんだか・・心配」

「もしまた休校になったら、オンライン授業が受けられるなら大進歩かも」


子どもにとっても、保護者にとっても、そして学校や先生にとっても未知のことばかりのICT教育。そんな状況で私たちの一歩先ゆくICT先進校の現役中学生のお話を聞くめったにないチャンス!IBASHOとしてもぜひみなさんと共有したい。そんな思いでzoomによるプレゼンテーション報告会を行い、伊藤さんに提案の内容紹介と質疑応答をお願いしました。



前半は、伊藤さんが学校でどのようにICTを活用しているかを実例を含めて詳しく紹介。その後は現在の世田谷区のiPad利用環境設定への改善提案でした。伊藤さんの学校での使用ルールやフィルタリング、iPadの機能(搭載されたアプリやスクリーンタイムの設定)について。開校当初は視聴可能であったYouTubeが、学習に関係のないコンテンツの視聴が目立つようになり、使用できないようになったこと。また埼玉県のさとえ学園小学校で導入されている「レベルアップ型ルール(一人一人のデジタルスキルとモラルを元に、使用の自由度を変えるというもの)」を世田谷区でも取り入れてみてはどうかという具体的な提案をしていただきました。


以下、参加者からの感想の一部を紹介します。


「ICTの最大限の活用により、探求心がより深まり、表現力が磨かれていく様子が見られてとてもよかった。」

「ICT活用のみならず、思考、行動、自己管理が中学生とは思えないハイレベルさを感じました。」

「子どもたち中心の自律的な活用が進むといいなと思いました。」

「伊藤さんが、自分はツールをどう使えているのかを冷静に見つめ、機器に振り回されずに役立てている様子が伝わり、とても印象的でした。適切なルールの設定など、子供のICT機器活用に大変参考になりました。」

「ここ最近はパソコン(タブレット含む)はインプットもアウトプットも両方に使っているのだなということが分かりました。」


私個人の感想としては、探求型学習があってこそのICTの活用であり、伊藤さんの実践はICT教育の理想形に近いのかなと感じました。世田谷の小中学校でいま同じことをできるかというと、それは難しいかもしれない。けれど良いところはどんどん真似をして、試行錯誤していけばいい、そのくらいの柔軟さが欲しいなと思います。


しかし一方で「なんのためにこの道具(ICT機器)を使うのか?」を自分でしっかりと考えられる中学生と、小学校に入学したばかりの6歳の子ではかなり状況が違うぞ!本当に1年生から必要?「せっかく与えられたのだから」と無理に”活用”する必要があるのかなとも感じました。(ごくごく私見です・・・)


なにはともあれ、まずはこんな風に自分の考えを表現できる中学3年生の存在にビックリ!そしてそれを大人たちに発信して社会に貢献しようとする姿勢に感動!!でした。こんな立派な子どもがいるのに、大人たちは社会や学校に対してブーブーと文句ばっかりいっていられないな、と身が引き締まりました。


伊藤さん、貴重な夏休みの時間を使って経験と考えを共有してくれたこと、本当にありがとうございました。


IBASHOでは、ひきつづきICT教育(iPad活用)についてみなさんと考えていこうと思っています。ご意見やご質問はメールやLINEなどでお知らせください!水曜日のはらっぱでもおしゃべりできますよ〜。

2学期もさまざまな企画をしていますので、お楽しみに!


 

広島叡智学園中学校ホームページ


文部科学省IB教育推進コンソーシアム『国際バカロレア(IB)の教育とは?』(PDF)

探求的学習事例:総合的な学習の時間「Global Justice」


広島大学教育ヴィジョン研究センター・「広島叡智学園HiGAの平和教育への挑戦」シリーズ動画

https://evri.hiroshima-u.ac.jp/17942

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